この記事はFANTOM WALLET (FANTOM S)を購入した筆者の徹底レビューです。
単なるセールストークだけの情報ではなく、説明されている内容をもとに、形状や仕組みの持つ意味を考察してみました。
そんな視点で、良い(強い)ところも、悪い(弱い)ところも含めてどんな製品なのかを見つめています。
少し長めの記事なので、必要なところを選んでのぞいてみてください。
「これなら自分も使ってみたいな」とか、購入を考えている方の具体的な判断に役立てればうれしいです(^^)
この記事でとりあげているFANTOM WALLET
下記仕様のFANTOM Sとなります。
Fantom S Wallet (Slim Minimalist Wallets)
∟COIN HOLDER (コインホルダー)
∟FANTOM 13 (サイズ)
∟カーボンファイバー (カラー)
∟パープル (マネークリップ)

フレームがプラスチック製で、カードが13枚まで入るコインホルダー付きのモノに、マネークリップを組み合わせています(^^)
※FANTOM WALLETの商品構成が知りたい方は別記事 “初めて知ってから購入するまでに役立つ情報(まとめ)” の” 商品構成 “をご覧ください。
(参考)筆者がFANTOM Sを選んだ理由
筆者がこのFANTOM WALLETの仕様で意識したのは、
「最大収納能力を持つFANTOM WALLET」
ということです。
“FANTOM R”は小銭が入らないので、”FANTOM S”の”COIN HOLDER”を選択、更にカードが最大枚数入る”FANTOM 13″、これにマネークリップを付けて一番重装備なFANTOM WALLETの出来上がりです。
1日のルーチンが決まっているような生活パターンが続く時であればカードが13枚入る必要も、小銭を所持する必要もなかったりするんですが、どこかに遠征したりした時に持ちたいモノが全部入るように大容量タイプが欲しかった、そんな感じです(^^)
(参考)ミニマル・ウォレットを選ぶ時に必要な準備
ここではお財布の整理について少しふれておきます。
小さなお財布を使ったことのない方が、メインのお財布を大きなものからFANTOM WALLETに切り替えたい時などに必要な情報だと思うので、参考情報として書いておきます(^^)
例えば、ある方の長財布の中身をひっくり返してみたら、全部で図1のようなものが入っていたとします。
もしも、この中で1つも減らせないという場合は、FANTOM WALLETを選ぶべきではありません。理由は簡単で、入らないからです。
そんな方はサブのお財布として利用検討した方がいいと思います。

で、中身を減らしても大丈夫な方の方法がお財布の中身の見直しです。
これからメインのお財布を大きなものからFANTOM WALLETにしたいという方であれば、先に検討しておくべき内容になります。
この後の例を参考に、お財布の中身の実態を再確認してスリム化し、どのサイズのFANTOM WALLETが自分に適しているのかを知る手がかりにしてみてください。
図1の内容物を一例に仕分けしてみます。

まず、図2の赤で囲んだものは紙ですが、現実的に持ち歩けるのは、少量(数枚程度)ならマネークリップで運用できます(逆にいうと紙は基本的にムリです)。
FANTOM WALLETのカードホルダーには名刺の大きさは入りません。
また、ポイントカードや診察券がクレジットカードサイズと同じであったとしても紙はカードホルダーでの運用に向いていません。
クレジットカードと比べて、紙は柔らかすぎるのと、(もう一つあえて加えておくと)厚さが違うからです。
ポイントカード、ワイシャツ券、クリーニング預かり票、診察券は使用する時だけマネークリップにはさんでおく感じになると思います。
また、名刺、領収証、クレジットカード利用票、レシートなどももらった時にマネークリップにはさんでおく感じです。
マネークリップはお札をはさんでおくのがメインですので、あまり他のものがいつも一緒にはさんであると使いづらくなってしまいます。
また量もそんなに沢山はムリです。
ですので、これらの紙類は利用する時だけマネークリップにはさむようにして、帰ってきたらマネークリップから外すような運用になると思います。
FANTOM WALLETのようなお財布を使っていくのであれば、更にレシートやクレジットカード利用票は電子レシートやオンライン明細に切り替えていくのがよりスマートだと思います。
また、名刺も名刺入れに移行するか、電子データのやりとりに移行した方がいいと思います。
次に残ったものの仕分けをします。
クレジットカードサイズのものが17枚と現金です。
カードはFANTOM 13でも、エンボスなしのカードを最大で13枚までしか収納できません。ですのでこのままでは入りません。現金も絵のような量はちょっとムリです。
という訳で、図3のように不要なものをのぞいてみました。
青い矢印は減らしたもの、オレンジは減らさなかったものです。
カードにいたっては9枚減らすことができました。
ここで大切なのはムリに減らすのではなく、必要なものをしっかり見極めるというところですネ。

といった感じで内容物の仕分けができました。
これならFANTOM 10か、FANTOM 13で収納できますネ。
人によりますが、過去1ヶ月、過去1週間など、期間を決めて振り返り、一度も使っていないものを見極めると、ほとんど使わないものを携帯することがなくなります。
そうすると、目的のものを探す時に
使わないものが混じっている中からよく使うものを探す
ということがなくなります。
この辺りは不要なものを減らす断捨離というよりも、機能性を維持するために必要なもの以外持たないという感覚がピッタリだと思います。
開封レポート
※FANTOM WALLETは、別記事 ” 初めて知ってから購入するまでに役立つ情報 (まとめ) ” に書いてある手順で公式Webストアから購入しています。
この項では、開封したFANTOM WALLETをサクッとながめてみます。

公式Webストアから通常配送(※)で購入すると、約3週間くらいで商品が届きます。
日本に荷物が入って来てからは郵便局が扱い、購入時に指定した配送先住所に届けてくれます。
郵便局の人がこれを持ってきた時は、「おっ、来たかっ!」という感じでした。
さっそく開けてみましょう(^.^)
※配送の選択肢については ” 初めて知ってから購入するまでに役立つ情報 ” – ” 補足情報 “ を参照。

(^^)きましたねー。
プチプチの封筒の中は箱が2つ。。
本体の箱、マネークリップの箱、そしてカードが1枚入っていました。

本体から開けます。
マグネットのついた化粧箱のフタを開けるとこんな感じで本体が登場。
独特の雰囲気がいいですね(^^)

表側(写真上)と裏側(写真下)。
両方共、カーボンファイバーのプレートにFANTOMのロゴが入っています。

①下側のちょっとすぼまった部分がコインホルダー部です。
②カードが入る開口部。FANTOM 13はカードが最大13枚入るので、かなり開口部は大きいです。
③こちら側がカードを扇状に展開する時のレバー。このレバーは写真の左側を基点に右側を手前に開く感じで操作します。
このレバーはコイン出し入れ口のフタも兼ねています。
④こちら側はマネークリップの取り付け穴が空いています。
マネークリップを付けない場合は、この穴と取り付け位置の凹みをかくすことはできません。

こちらは同梱されていたUSER GUIDEの表裏。

こちらはマネークリップです。
中はマネークリップ本体と六角レンチ、ビス×4、ユーザーガイドが入っています。

最後に同梱のカード。
なんと20% OFFのクーポンです。
マネークリップのインストール
開封レポートでも見ていただいた通り、FANTOM WALLETのマネークリップは最初から取り付けられた状態で届きません。
なので、自分で取り付ける必要があります。
ここでは同梱のUSER GUIDEなどを確認しながら取り付けを行ってみました。
同梱物

マネークリップを買うと箱の中に入っているもの
(写真1枚目)
・マネークリップ×1
(写真2枚目)
・ネジ×4
小ネジ×2
タッピンネジ×2
・六角レンチ
(写真3・4枚目)
・USER GUIDE(表・裏)
ネジについて

最初にネジですが、マネークリップに取り付けるために必要なネジは2個です。
これに対し、小ネジが2個、タッピンネジが2個と種類の違うネジが(合計4個)入っています。
同じネジなら予備でしょうが、この場合はどちらを使えばいいか少し迷います。。
で、先に結論ですが、
小ネジ・・・FANTOM R 用
タッピンネジ・・・FANTOM S用
です。
この点に関しては、添付のユーザーガイドに記載はなく、公式サイトで明記してあるドキュメントも見つけることができませんでしたが、唯一、公式サイトの動画で案内されていました。
公式の見解としては、フレーム素材がアルミニウムのFANTOM Rと、プラスチックのFANTOM Sに対する適性ネジの違いということだと思います。
参考URL : https://store.fantomwallet.com/support/
→このURLを開いて少し下にスクロールすると、左側に”Fantom S Money Clip Installation”というボタンがあるのでそれをクリックすると動画を見ることができます。
この動画で説明している内容は、
①タッピンネジを選択する。
②最初にマネークリップなしでFANTOM WALLETのネジ穴にネジをねじ込む。その際、六角レンチを使ってFANTOM WALLETに対してまっすぐ(直角)にねじ込む。
③2つのネジ穴にネジをねじ込んだら、一度ネジをはずす。
④今度はクリップを付けた状態でネジをねじ込んでいく。1つ目のネジは最後まで締めずに(少しゆるい状態に)しておき、2つ目のネジを締める。2つ目のネジを最後まで締めたら、1つ目のネジも最後まで締める。
⑤マネークリップとFANTOM WALLETの接触面が真っ直ぐになっていればOK。
という感じです。
②・③は、ネジ穴にタッピンネジが正しく入りやすくしておく作業ですね。
ちなみに、添付のユーザーガイドに書かれていることは、
STEP 1:マネークリップのインストール
マネークリップの丸い穴をFANTOM WALLETの下部にある丸い穴に合わせます。 付属の2本のネジを六角レンチで締めます。 ネジを締めすぎないでください、フレームが剥がれる場合があります。
STEP 2:マネークリップの使用
お札を適宜折りたたんで、重ねます。
お札をしっかり押してマネークリップの中に入れます。
STEP 3:マネークリップのテンションを調整する
マネークリップは、張力を増減するために手動で曲げることができます。
調整前はFANTOM WALLETからマネークリップを取り外します。
というものです。
ネジに関しては、購入時に添付されているユーザーガイドに記載がないことから、違うネジを使う方も恐らく少なくないと思います。

(写真上)タッピンネジ
(写真下)小ネジ
(参考)筆者の選択
通常、小ネジはナットとセットでないかぎり、ネジ穴(凹部)にもネジが切ってあります。金属など、比較的硬い材質にはこちらの方が適しているでしょう。
対してタッピンネジはネジ穴(凹部)にネジを切る事はほとんどないと思います。木材など、少し柔らかい材質にはこちらの方が適しています。
で、FANTOM WALLET Sの場合、筆者的には小ネジにしたいと思いました。
理由は、
- 材質的に、めの詰まったプラスチックなので小ネジでも十分大丈夫そう。
- ネジ部の径が(ネジを切っていない)ネジ穴に入るようなので、小ネジをねじ込んだ方が摩擦が大きくて固定する力が大きいと思う。
- タッピンネジはネジ山が3つしかなく、リード(ネジを1回転させた時に進む距離)が少し大きく感じる。
- 1回取り付けたらそのままというならタッピンネジでもいいと思うが、ユーザーガイドにあるように、マネークリップのテンション調整で外すことがある場合、2回目以降から固定される力が弱くなる気がする。
という訳で、小ネジを採用しました。

六角レンチについて

(写真上)
付属の六角レンチは少し小さいです。
(写真下)
また遊び(隙間)”が大きいです。
工具穴(ネジの頭の工具が入る穴)に六角レンチを差し込んで見ると、ネジが斜めになります。
これは工具穴が大きいのもあるし、六角レンチが小さいのもあると思います(六角形の凹部に六角形の凸部がぴったり合っていない状態です)。
このような工具とネジの組み合わせでネジを注意せずに(力まかせに)回していると、工具穴の引っかかりが削れてしまい(“なめる”と言います)、工具で回すことができなくなってしまうことがあります。
マネークリップは取り外す可能性のある部分なので、この穴が削れてネジが回せなくなるような事態は避けなければなりません。
大切にして、正常な状態を保つことが必要ですね。
なので、ネジ回しは標準添付品を使用する場合は慎重に行った方がいいと思います。もちろん専用ツールなので、注意して丁寧に作業すればまったく問題はありません。
しかし、もし精度の高い六角レンチをお持ちの場合はそちらを使用する方がいいと思います。
サイズは2mmです。

ちなみに筆者はSnap-on(※)の六角ビット(2mm)を使って作業します。
※米大手工具メーカー。F1など、プロのメカニック御用達ブランド。
壁に垂直にねじ込んであるビスの穴にSnap-onのドライバーの先を差し込んで手を離すと、マグネットがないのに下に落ちなかったりします。Snap-onはそんな精度を持ったツールです。
(おすすめ)ネジまわりで役立つケミカル品について
注意すべきこととして、ネジの項でゆるみについて、六角レンチの項でなめることについて説明しましたが、ここではネジまわりで役立つ筆者おすすめのケミカル品を2つだけ紹介します。

LOCTITE(ロックタイト)222
金属製ネジのゆるみ止め接着剤です。222が小ネジ用です。
ネジ部に付着させてねじ込めばゆるみを防ぐことができます。
筆者は普段、メガネのネジのゆるみなどにも使用しています。

ネジすべり止め液
精度の低い工具でも一時的に工具穴をなめないようにするケミカル品です。
ドロドロした液体に細かい砂のような粒子が入っています。
使い方は簡単で、なめそうな工具穴に付着させて使います。
これにより工具穴に差し込んだ工具とネジは細かい粒子が隙間に入ることでガッチリと固定されます。
(筆者の使い方を写真で上から順に説明します)
最初にチューブをゆっくり押してちょっとだけ液体を出します。
飛び出た液体に工具の先端を着けます。
チューブから出た液体を工具の先端ですくうような感じでくっつけます。
工具の穴に差し込みます。
“ジャリッ”という感触がするので、そのまましっかりネジ穴に工具をはめ込みます。
この状態でネジ穴にネジを差し込めば工具で工具穴をなめることなく作業できます。
※工具穴にチューブの液体をじかに入れようとすると、出し過ぎたり、穴にうまく入らなかったりするので、つまようじのようなものが欲しくなってしまいます。なので、工具の先端部に付着させた方がやりやすい場合が多いです。
取り付け

(写真上)
はじめにネジ穴の位置ですが、マネークリップと本体をピッタリつけると、ネジ穴の位置はこれだけずれています。
(写真下)
ネジ穴の位置を指で合わせるとこんな感じです。
この位置をキープしながらネジ穴にネジをまっすぐに入れていくのはやりづらいので、公式サイトの動画でも案内しているように、ネジ穴にネジが正しく入りやすくする作業を先にします。

(写真上)
FANTOM WALLETに対して直角にネジをねじ込みます。
本体を押さえて、矢印の方向に力を入れてブレないようにネジを回していきます。
ネジ山がネジ穴にかんでくれれば奥に進んでいってくれるので、その入りやすさを確保する作業になります(最後までねじ込む必要はないです)。
(写真下)
こんな感じですね。
両方のネジ穴に同じ作業をします。

(写真上)
小ネジのネジ部にロックタイトを塗布します。
(写真下)
マネークリップを付けた状態でネジをねじ込んでいきます。

(写真上)
片方をこのくらいで一旦とめて、
(写真下)
もう1つの方も同じくらいのところまでネジ締めします。

2つのネジを交互に締めていき、本体とマネークリップの接触面がまっすぐくっつけばOKです。
締め過ぎに注意して最後は丁寧にかしめます。

取り付け完了です。
チタンはしなりもあるし、頑丈でちょうどいい厚さです。
なかなかいいです(^^)
ユーザー・ガイド
ここでは購入時に同梱されているユーザー・ガイドに書いてある使い方を実際にやってみました。
カードをファントムウォレットに挿入する

STEP 1 : カードを整理する
カードを希望の順序で配置し、一緒に積み重ねます。
最も使用するカードは、すぐにアクセスできるように上に配置する必要があります。
RFIDスキャンに必要なカードは下に配置する必要があります。

ではやってみます。
今回のFANTOM WALLETはFANTOM 13なので、カードはエンボス加工なしのカードで最大13枚です。
(写真上)
記載の通りにすると、例えば一番上が一番よく使うクレジットカード、一番下がSuicaとかでしょうか。
(写真下)
と、13枚をこんな順番で重ねてみました。
STEP 2 : カードを挿入する
カードを重ねた状態で、ゆっくりと一緒に財布の底にスライドさせます。
カードを時計回りに回転させてウォレットに入れます。

(写真上から)
重ねて、
ゆっくりとカードホルダーにスライドさせて入れ、
正面から見るとこんな感じです。
時計回りに
回転させ、
入れます。
この動作はとてもスムーズにできます。
カードホルダー内部の奥(写真で見るとマネークリップ側に)にスポンジ素材のおさえがあって、中に押し込んだ時に1枚1枚がきちんとホールドされるようになっています。
感触もソフトでしっとりとしていてとてもいいです。

(写真上)
13枚のカードが全て入った状態。
赤いところがスポンジがはりつけられている部分。白いところは中のフレーム形状の一部です。
扇状に展開するために内部は複雑な形状をしています。
(写真下)
それにしてもFANTOM 13はずいぶんな収納力があります(^^)
扇状に広がるカードとカードの選択

参考URL : https://fantomwallet.com/features/
STEP 1 : トップカードへのアクセス
(親指で左に押す)
クイックカードスロットを使用して、親指で一番上のカードを引き出します。
反時計回りに回転させながらカードを押し出します。

(写真上から)
親指で1番上のカードをスライドさせます。
このクイックカードスロットは、マネークリップにクリップしたお札が折ってあれば、お札で隠れることのない位置にあって、使いやすさとしては○だと思います。
STEP 2 : カードを探す
他のカードにアクセスするには、親指で上部のレバーを押し上げて、すべてのカードを広げます。
*NOTE:最初の2週間の使用でカードを扇状にする時の力は軽くなります。

(写真上)
持っている人の視点だと、こんな感じで親指をかけて、
(写真中)
レバーを引きます。
(写真下)
こんなにキレイに展開してくれます。
STEP 3 : カードの選択
カードを扇状に広げた状態で、目的のカードを特定し、他のカードをウォレットに押し戻して、必要なカードを露出させます。
目的のカードを取り外します。

(写真上から)
扇状になったカードの中から、目的のカードを判別します。
各カードのデザイン・色などはわずかにしか確認できませんが、持ち主が判別するには特に大きな問題はないでしょう。
特定して、
他のカードをウォレットに戻して、目的のカードを露出させ、
取り出します。
コインホルダーの使い方(コインホルダーバージョンのみ)

STEP 1 : アイテムをコインホルダーに入れる
STEP 2 : アイテムをコインホルダーから出す
親指で上部のレバーを押し上げて、コインホルダーにアクセスします。
上部のレバーを上げた状態で、目的のアイテムをコインホルダーに挿入します。
硬貨が詰まる可能性があるため、無理に押し込まないでください。
必要に応じて、コインをウォレットから振り落とします。
(厚さ2.8mmまでのコインが収納可能。このホルダーはキー、SDカード、USBドライブの収納に使用できます)
親指で上部のレバーを押し上げて、コインホルダーにアクセスします。
Fantom Walletを上下逆にして、コインホルダーのアイテムを取り出します。
この動作は写真では伝わりにくいので、録画してみました。
まずはコインの挿入と取り出しです。
一番大きい500円硬貨5枚でやってみました。
こちらがキーです。
次はSDカードです。
2枚でやってみました。
最後にUSBドライブです。
コインホルダーの開口部を見た感じ、ちょっとムリそうな印象でしたが、一応試してみました。。
こちらは一般的なUSB Type Aのコネクタのものを2種類やってみましたが、入りませんでした。
コインホルダーの開口部の厚さをノギスで測ってみると、3.8mmありましたが、USB Type Aのコネクタ部の厚みは4.4mmなので、とても入りませんね。
なので、日本人が普通に想像するUSBドライブはムリです。
USBドライブに関してはType-Cやmicro USBなど、コネクタが細身でボディも細いものでないと入らないです。
補足

ユーザー・ガイドには厚さ2.8mmまでのコインが収納可能(Coins up to 2.8mm thick can be stored. )と書いてありますが、上の写真のようにコインホルダーの実質寸法は幅(約)31.8mm×高さ(約)3.8mmです。
なので単純に厚みだけで考えれば2.8mm厚以上のコインも許容できますが、なぜこの厚さまでなのか、筆者は現物を前に読みとることができませんでした。
この数値上の違いは、入れすぎを懸念してのこととか、何かあると思います。
コインホルダーの中は写真のように布のようなものが貼りつけてあります。
正確には布(織られたもの)と言うよりも、不織布(織っていない素材)っぽいものに見えます。
保証

制限付き永久保証
Ansix Designs社のWebサイト、正規販売店、またはキックスターター・キャンペーンから購入した各FANTOM WALLETには、限定的無期限保証が付いています。
Ansix Designsは、購入した製品に製造上の欠陥がなく、製品の寿命の間、意図したとおりに機能することを保証します。
材料または仕上がりに欠陥のあるFANTOM WALLETは、製品の実用的な寿命の間、Ansix Designsの判断で交換または修理をします。
対象外 : プラスチック部品の通常摩耗および破れ。外側のプレートの傷。アクシデントによるダメージ、乱用、不注意、衝撃による損害。製品の不適切な使用または保管。不正改造または修理。
摩耗と破損の保証
磨耗、破損、誤用、または放置により損傷した製品は、希望小売価格の50%でAnsix Designs社にて交換することができます。
異なるサイズ、色、オプションなど、別のFANTOM WALLETに変更すると、この保証が適用されます。
この保証は、いつでも繰り返し要求することができます。
この保証を受けるには、元のFANTOM WALLETをAnsix Designs社に返送する必要があります。
あるいは、破壊したFANTOM WALLETの証拠をAnsix Designs社に提示する必要があります。
この保証の乱用は一切受け入れません。
最新の保証情報については、Ansix Designs社のWebサイトを参照してください。

という感じで、保証に関しては筆者もまだ使ったことがありませんが、万が一の時にも安心で、なおかつなんだか楽しいワランティーもあるので、まさかの時は使ってみようと思います。
各部解説
ここではFANTOM WALLETの各部ごとのクローズアップを行います。
サイズ・重さ(軽さ?)・素材について
FANTOM WALLET単体のサイズや重量は公式ページに記載があるので(こちらです→FANTOM Compare FANTOM models)、ここでは ” FANTOM S – COIN HOLDER – FANTOM 13 ” に、マネークリップを付けた状態で計測しました。
※計測誤差はあると思いますのでご容赦ください。

まずは重さ(いや、軽さですねっ!)です。
なんと59g ! 、超ー軽いです。
これは表裏についたプレートがアルミニウム仕様の同モデルでマネークリップを付けていないものと同じ重さです。
プラスチック素材のフレーム、カーボンファイバーのプレート、チタンのマネークリップの組み合わせでないとできませんね。
最軽量を狙う方にはおすすめの組み合わせです(ホントかよな重量を体験してみてください(^^))。


次はサイズです。
118.8mm×71.0mm、
厚さ24.7mmです。
こちらはやや大きめです。

厚さについてはマネークリップのふくらみのところがかなり余裕のあるサイズになっているのでこの厚さになっています。
他のマネークリップと比較してもこのふところのサイズは大きい方に部類すると思います。

縦・横のサイズですが、横は一番でっぱっているマネークリップのネジの頭の部分から測っています。
左の図の通り、FANTOM WALLETはカードに対して大きめのサイズになっています。
これは、FANTOM WALLETの最大の特徴でもある扇状に展開する仕組みが中に作り込まれているからですね。

素材ですが、フレームのプラスチックはラバーコーティングが施されています。
なので、触った感じはしっとりしていて、プラスチックでありながら質感はいいです。
という訳で、FANTOM WALLETはクレジットカードなんかと比べるとやや大きめのボディを持っているのが特徴ですね。
実際に、単にカードを入れるだけのサイズのものであれば、もっと小さいお財布はいくらでも存在します。
そしてFANTOM Sはプラスチック素材であることで、軽く仕上がっているのが特徴となります。
大きさについてはFANTOM WALLET自体を、また素材がプラスチックであることについてはFANTOM Sを選択する際の大切な要素になると思います。
大きさの理由に価値を感じられないとFANTOM WALLETを選択しても気に入って使っていくことができない場合もあると思います。
好みは人それぞれなので、とにかく小さいものが欲しい方にとっては少しおもむきの違いがあります。
サイズにこだわりがある方は購入前に定規で実際に写真に写っているものがどの程度の質量であるか確認した方がいいと思います。
逆に扇状にカードを展開するギミックがこの大きさの中に入っているという見方ができる方はきっとFANTOM WALLETを気に入ると思います。
また、プラスチック素材であるために軽いという特徴を持っているFANTOM Sですが(この記事でとりあげているモデルで59gしかありませんが本当にスゴく軽いです)、強度や機能性をきちんと備えた状態で、なおかつ軽さを両立していることを理解しないと、購入後に(例えば)「ちゃちだなア」とかの感想を持ってしまいかねません。
もしも高級感が欲しいのであればFANTOM Rの方を選ぶべきでしょう。
壊れやすいのであれば話は別ですが、実物は必要な強度を十分備えているし、各部は華奢(きゃしゃ)ではありません。ですからプラスチック素材を選んだ場合は高級感とは別の価値を選んだと思うべきだと思います。
以上、購入を考えている方が選択ミスをしないために大切と思える2点についてでした。
カードスロット
内部の構造を解説します。

(左側にレバー、右側にマネークリップがある方向で)カードスロットの中をのぞくとこんな感じです。
複雑な曲線で構成されています。
(写真上)
レバーアクションでカードを持ち上げてくれる部位(ギザギザのところ)が見えます。

カードスロット開口部から写真や動画を撮っても内部の機構がよくわからないと思うので、観察してスケッチしたもので説明します。
内部はおおよそこんな形をしています。
青色のところがレバー、これを開くと一緒に動くのが黄色いカードを持ち上げる部分、赤色のところはスポンジ状になっていて、カードをホールドしてくれる部分です。

カードを入れる時は、最初にこんな感じで斜めに入れ、時計回りの方向にカードを倒していきます。

すると、カードの右下の角がカードスロットの右側の壁に押しつけられます。
この時点で左側にあるスポンジ部分にカードの左側が押しつけられます。
スポンジは反発するので、カードは時計回りの方向に押し込めば押し込むほどしっかりと固定されていきます。

カードが一番奥まで入ると、左側のスポンジの反発力でカードは右側の壁に押しつけられてホールドされます。
逆さにしても落ちないのはこういう仕組みだからですね。
それにしてもこの造形は見事です。。
レバーアクション
もっともFANTOM WALLETらしいレバーアクションの解説です(^o^)

レバー(青色部分)に指をかけて時計回り方向に引きます。

すると、内部のジグ(黄色部分)がレバーを引いた分だけ内部で時計回り方向にせり出し、カードを押し上げます。
この段階でもカードはカードホルダーの右側の壁と左側のスポンジ部分(赤色部分)でホールドされています。

最大までレバーを引くとこんな感じになります。
絵では一番奥の1枚だけの状態ですが、重ねてカードを入れる場合は手前に重なる形です。

その場合、黄色部分のは手前に向かって押し上げるところが少しづつ短く階段状になっているので、手前になればなるほど押し上げられる高さが低くなり、最後の一番手前は押し上げられないようになっています。
こんな風に1枚1枚の押し上げられる高さが違うため、扇状に展開する訳ですね。

カードを13枚入れた場合のジグとの関係を図で表すとこんな感じになっています。
①がクリップが付いている面です。
ジグは触れたカード を押し上げますが、②の位置(一番手前の13枚目のカードの位置)だけはジグがないので、ホームポジションのまま動きません。
なので、残りの12枚に対してジグの階段が12段あるのだと思っていたのですが、よく観察してみると11段で12枚のカードを扇状にしています。
とてもユニークな部分です。
ジグの2〜11には触れたカードを押し上げるようにしていて、特に何枚目を担当させるという考え方ではありません。
ただし、その中で特に意識されているのがジグの1の部分です。
他の階段の幅よりもあきらかに薄くしてあります。
これは、カードがスタンダートなもので0.76mmですが、これよりも更に薄くすることで、2のカードを絶対に押し上げることなく、確実に1だけのカードを押し上げるために工夫されているのだと思います。
このカードは扇状に広げた時に一番端に一番飛び出した位置にきて、読み取り動作をさせるためのカードポジションだからですね。
また、ジグの1の部分は横の壁にピッタリとくっついています。これも1のカードをミートさせるための工夫ですね。
壁側はこれを実現するためにツルツルで鏡のようなプラスチック面になっています。

ちなみにカードサイズには国際規格(ISO/IEC)があって、Ansix Designsも間違いなく意識してFANTOM WALLETを設計していると思います。
具体的にはこの(以下)あたりですね。
ISO/IEC 7810 ID-1
カードサイズ : 85.60 × 53.98 mm
ISO/IEC 7811−1
カードのエンボスの高さ : 0.48mm
ISO/IEC 7813
カードの厚み : 0.76 mm
角(かど)の半径 : 3.18 mm
世界中の銀行キャッシュカード、クレジットカード、交通系カードなどなど、多くのカードがこのサイズに準拠しています(厚さは違いますが、日本の運転免許証、健康保険証などもカードタイプの物はこのサイズです)。
FANTOM WALLETはこの国際標準に準拠したサイジングをすることで大抵のカードに対応できている訳です。
厳密にはカードは国際標準の中でも許容値があること、元の段階で国際標準の値をわずかに外れているもの、使用していくごとに摩耗してサイズ(エンボスの厚さもどんどん薄くなる)が変わること、変形(湾曲など)することなどがあります。
なので、扇状にするというのはそう簡単なことではないと思うのですが、Ansix Designsはこの課題をスマートにクリアしていてさすがだと思います。
この機構は特許を取得しているので、ユーザーとしてこの仕組みを使ってみたい場合、選択肢はFANTOM WALLETしかありません。
クイックドロースロット

クイックドロースロットスロットは右手の親指だけを想定して作られた位置・形状だと思います(他の指では現実的にはかなり操作しづらいです)。
で、日本円で一番大きな壱万円札をマネークリップにはさんでも隠れない位置にあります。
この位置関係はカードサイズよりも意図的に大きいFANTOM WALLETならではですね。
カードスロット内部は扇状に展開させるための工夫が作り込まれていて、外側も無駄に大きいのではなく、クイックドロースロットという部分とお札がクリップされている部分を分けて、機能的にお互いが邪魔しない位置関係を実現している訳ですね。
開口部は18mmちょっとあるので、親指の腹でカードに触れるのはよほど指の大きい人でない限り問題ないと思います。
その他の特徴
ストラップ・ホールについて

FANTOM Sはここにストラップ・ホールがあります。
紐やチェーンを付けて、バッグのハンドルなどに付けたりはOKだと思います。

ただし、ストラップを付けてブラブラさせるのはおすすめしません。
(写真左)指でつまんだ部分がストラップ・ホールの位置です。このようにカードが(落ちないでしょうが)落ちそうで気になります。
(写真左)せめてこの位置ならまだよかったのに…
逆さにしてもカードが落ちない仕様について
扇状に広げた状態で逆さにして振ってカードが落ちるかやってみました。
落ちないです。
もっと意地悪して1枚だけで展開して逆さにして振ってみました。
意外とがんばってましたが、さすがに落ちました(^^;)
まあ、こんなシチュエーションはちょっとないと思いますがご参考まで。。
コインホルダー
最初にコインホルダーの全貌を明らかにしたいと思います。
” ユーザー・ガイド ” – ” 補足 ” でも触れましたが、コインホルダーの開口部の実質的な寸法は筆者の計測で以下の通りです。

コインホルダー内部の形は外からはほとんど確認できませんので、細い棒を使って内部を慎重に押して確認していったところ、だいたい以下のような形状をしていることがわかりました(赤線部分)。

ざっくり採寸して計算したところ、だいたい27㎤前後の容積がありそうだということもわかりました。
更に、コインホルダーの開口部についたフタは(約)40°の角度で開くようにできています。

そして、このフタの間口の広さを測ると、(約)29.8mmでした。
コインホルダーの開口部は約31.8mmありましたが、その手前部分がもっと狭い形状になっている訳です。


500円玉(外径 26.5mm)とコインホルダーのフタ&開口部の大きさ対比。
ギリギリです。
フタが(約)40°しか開かない理由は、コインホルダーのフタがカードを扇状に広げる時のレバーを兼ねているからです。
” カードスロット ” – ” レバーアクション ” で説明しましたが、レバーを広げるとカードホルダー内部のジグがカードを最適な位置に押し上げてくれるようになっているので、コインホルダーのフタとしてはもっと開いた方が良くても、カードを扇状に広げるためのレバーとしてはこれ以上広げることができないんですね。
ここまでの説明をまとめると、コインホルダーは単体のストリップなら以下のような形状をしたものになります。

こういった絵を見れば一目瞭然ですが、特徴は
- 入口から奥にいくにしたがって大きくなっている入れ物
- 小さく、薄い
- わずかな容量
ということになります。
FANTOM WALLETでコインホルダー付きのものを選択する場合、まずはこの事実をきちんと把握した上で納得しておくことが大切だと思います。
機能性
前述の通りの構造なので、コインホルダーとしての機能性は高いとはいえません。
理由を解説します。
まず、入口にいくにしたがってどんどん狭くなっている入れ物は中に入れたものが出にくい形状といえます。
ビンに入った飲み物のように少しづつ出るようにしたい場合などにこの形状は選ばれますが、小銭入れでこの形をハードウェアとして保っている製品(いつでも開口部がすぼまっている状態をキープしているもの)は稀(まれ)だといえます。

そしてもう一つは中に入れたものがまったく見えないということです。
缶に入ったあめ玉のように逆さにして振り出すしかありません。
なので何が出るかは出るまでわかりません。
しかも、実質的には目的のものが出るまで出すというよりも、全部手の平に振り出してから目的のものを取り、残りを戻すという作業になります。

一般的に小銭入れで機能性が高いといえば、この2点の動作が優れているものになると思います。

あと2点指摘しておきます(^^;)
フタはバネが付いています。指を離すとフタが閉じてしまいます。
なので閉じないように指でおさえた状態のまま、コインなどを振り出す作業をしなければなりません。
一度開けたフタを離すと、元に戻って閉じてしまう小銭入れっていうのも見ないですよね。
ですので感覚的に慣れが必要です。
カードを扇状に広げるレバーはコインホルダーのフタを兼ねています。
なので、コインホルダーの開閉時は必ずカードが扇状に広がってしまいます。
収納能力について
ここでは日本円の硬貨の収納能力について触れておきます。

左の図は硬貨を上から大きさ順に並べたところです。
で、コインホルダーの収納能力は以下の通りです。
※5円玉、1円玉はそれだけ入れるというのは現実的に(特に)ないと思うので省略します。
500円玉だけ → 6枚(3,000円分)までOK
100円玉だけ → 8枚(800円分)までOK
50円玉だけ → 15枚(750円分)までOK
10円玉だけ → 12枚(120円分)までOK
今度は金額ベースで入れてみました。
499円分(下記内訳) → OK
100円玉×4枚
50円玉×1枚
10円玉×4枚
5円玉×1枚
1円玉×1枚
これに500円玉を一つ加えてみたら入りませんでした。
999円分(下記内訳) → NG
500円玉×1枚
100円玉×4枚
50円玉×1枚
10円玉×4枚
5円玉×1枚
1円玉×1枚
こんな感じで、だいたいの収納能力がわかると思います。
ただ、これだけ入れてしまうと、入れる時も出す時も押し込むことはなかったのですが、ゆらしたり、ふったりしないと出し入れできないことが何度かありました(内部のどこかでつっかかって出てこなかったり、もっと入りそうなのに先に入れたものが奥に入っていってくれないために後に入れるものが入らない)。
これだけせまいスペースの中でのひっかかりは仕方のないことかも知れません。
それと、これは最大でどのくらい入るかということなので、現実的にはこれだけパンパンにした状態では運用しづらいと思います。
499円分を例にとると、そこから100円を出して数枚のお釣りをもらうようなケースがあった場合、入りきりません。
なので、余裕を残してコインを入れ、お釣りも許容できるようにしておくと使いやすいと思います。
例えば下のような例です。
コインホルダーに500円玉を1〜2枚入れておきます。
バス乗車時に電子マネーの残高を切らして硬貨で運賃支払いをすることにしました。
500円玉を取り出し、運賃を210円支払いました。
お釣りの290円をコインホルダーにもどします。
このくらいのコインの量だとつっかえて出にくくなることもかなり少なくなります。
その他

写真のようにレバー部には凸部、本体側には凹部があり、レバーを閉じると重なるようになっています。
閉じた状態で(写真で見て上下方向に)衝撃が加わった時でもズレたり変形しないようにした工夫だと思います。
上下にブレることはレバーアクションで解説したジグのブレにも関係するのでこのためでもありますね。
まとめ
という訳で、コインホルダーは解説してきた通り、あまり使いやすいものではありません。
ユーザーレビューの中には、コインホルダーに対して設計ミスのようなコメントをしているユーザーもいますが、筆者の見解は少し違います。
まず、Ansix Designsの創作者達は筆者が解説してきたようなことを認識していて、その上で製品ラインに加えたんだと想像しています。
少なくとも設計段階のミスなどとは到底思えません(そこまでプアーな頭脳であるならFANTOM WALLEETみたいな魅力的な製品はまず作れません)。
「コインホルダーなんて必要ないんじゃないか」とは考えていたと思います。
でも「まだまだ欲しがる向きもいるだろうから、おまけ的だけど一応今回は付けておくか」といった感じで後付けした部位なのではと思います。
「多少使いづらいけれど、あればなんとかなるでしょ(ないよりはいいよね)」的な雰囲気を強く感じます。
カードホルダーまわりの思考の深さと比べると明らかにライトだからです。
という訳で、筆者が ” コインホルダーはこう使え ” 的な話をするなら、このコインホルダーは、
頻繁に使用することをまったく想定していない
で作られているので、エマージェンシーな時だけ使うのをおすすめしておきます。
毎日、または出かける時は必ずなど、頻繁に前述の構造を使いこなすのはちょっとストレスですよね。
なのでバスの例のように万が一の時用に使うのがピッタリだと思います(^.^)b
マネークリップ

ネジ部のあとにグイーッっと曲がっている部分だけ中央部分をくり抜いて(肉抜きして)ありますが、デザインとクリップのしなりを両立させている感じですね。

もしも右のような形をしていたら、先にいけばいくほどしなるようになり(○部分がしなる場所)、感覚的には使いづらさがあります。
左はFANTOM WALLETです。しなる場所と指で押し上げる部分が違います。
洗濯バサミなんかと似てますね。
これなら使いやすいです。
こんな感じです。
ちなみにマネークリップの内側の一番高さのあるところは約5.8mmもあるので、試しに厚さ5mmの紙の束をはさんでみました。
余裕ですね。
こんなに厚いものまでOKとは。
マネークリップもチタンなので、もどりもちゃんとしていて一向にゆるむ気配がありません(もどる時の”スチャッ”というしっかりした音をお聞きください(^^)b)。
RFIDプロテクション
ここではFANTOM WALLETにおいて、非接触でカードが読み取りできる状態と、読み取りできない状態を解説していきます。
※RFID ( Radio Frequency IDentification 、アール・エフ・アイ・ディー) ・・・ICチップにアンテナのついたものを離れたところから電波で読み取る仕組みの総称。

(参考)スキミングってどういうこと?
下の絵の通り、他人に知られて悪用されたら困る情報は磁気ストライプとICチップに入っています。
この情報を他人が盗みとることをスキミングといいます。
スキミングされてしまうと、その後に大抵は悪用されてしまいます(具体的にはカード情報を使って買い物などに使われたりします)。
①と②はカードを機械に入れて(接触した状態で)読み取ることしかできませんが、③は少しくらい読み取り機と離れていても(非接触で)読み取ることができます。

スキミングにはスキマーという読み取り機が使われますが、③の場合は離れていても読み取れてしまうので、注意しなければなりません。
例えば、クレジットカードを財布の中に入れ、更にそのお財布をバッグの中に入れておいても、③の場合はバッグの外からスキマーで読み取りできてしまう場合があります。
ピッと手軽に読み取りをするための仕組みが、悪用されてしまう訳ですね。
ですのでスキミングを防止するための対策をして、自分が意図していないとき(使わないとき)には簡単に読み取りできないようにしておくことが大切になります。

(参考)こうなると×、こうなると○
ここでは(非接触でおこなわれる)スキミングの際、物理的に何が起こっているのか知りたい方のために参考情報を書いておきます。
以下の①〜③のような状況がスキミングされている時に必ず起こっています(これが×の状況です)。
逆に、この状況を起こさなければスキミングされることは絶対にありません。
①スキマーの電源をONにすると、ぐるぐる巻いたコイル状のアンテナに同一方向の磁界が発生する。
②スキマーの発生させた磁界の中にカード が入り、カードの中のくるくる巻いたコイル状のアンテナの中を、スキマーの発生させた磁束が貫(つらぬ)く。
③するとカード側にも磁界が発生し、電池もないのに電圧が生じる(スイッチONの状態になる)。
これを電磁誘導といいますが、駅の改札やショップの決済などでカードをピッとやるとき、必ず電磁誘導を起こしています。なのでスキミングを防止したいときはこの電磁誘導を起こさせなければいいわけです。

で、答えはカンタンで、磁束は金属を貫通(かんつう)しないので、読まれたくないカードを金属でつつんであげればスキミングされる心配はなくなります。
ただし、360°どこから見ても中のカードが見えないように包むのは現実的ではないので、以下のような状況をつくってあげれば○です。

FANTOM S(カーボンファイバー・バージョン)のスキミング防止能力・使用時の読み取り
FANTOM WALLETの公式Webページでは ” RFIDプロテクション ” という言葉を使っていますが、要するにスキミング防止能力のことを言っています。
今回取り上げているモデル(表裏のプレートが ” カーボンファイバー ” )はRFIDプロテクションなしです。
それ以外のFANTOM SはRFIDプロテクションありとなります。
プレートがアルミニウムなので、収納したカードの両側から金属板でサンドイッチしている状態です。これは前述のこうすれば○の状態と同じですね。
ちなみにFANTOM Rはフレームが金属なのでもっと安心です。
というわけで一番スキミングに弱いモデルを試すことになります。
今回はiPhoneに ” 電子マネーICカード残高確認 ” というアプリを入れてiPhone での読み取りをしてみました。
カードは一番手前にPASMO(非接触ICカード)、一番奥にSuica(非接触ICカード)、真ん中に11枚の(アンテナを内蔵していない)普通のカードを入れ、合計13枚で試しています。
結果は上々。
カードを扇状に広げない状態でiPhoneでの読み取りはできませんでした。
カーボンファイバーは磁束を通さないわけではありませんが、炭素だけに少しは電波の通りを邪魔してくれているようですね。
iPhoneから出している出力が弱いからというのもあると思います。
公式にはRFIDプロテクトなしですから、もっと出力のある磁界に入るとこうはいかないはずです。
それでは使用時の読み取りをやってみましょう。
こちらも商品説明の通りの場所でのみきちんと目的のカード(Suica)のみを読み取ってくれました。
一番表のPASMOと混信せずにきちんと1枚だけ読み取ってくれています。
ちなみにSuicaとPASMOの距離は実測で約9.3mmです。
一番薄型のFANTOM 7ではどうなのかも確認するために、カードを奥から7枚だけ入れて同様に試しましたが、こちらも結果はSuicaのみ読み取ることがわかりました。
こちらはSuicaとPASMOの距離は実測で約4.6mmです。

ちなみに、左の写真のように配置すると読み取りはできません。
読み取りに失敗しました、とか、反応自体しなかったりします。
この経験を持っている方は多いと思いますが、複数のカードを接近させ過ぎると、混信してどれも読み取りできなくなってしまうからです(磁界に入っていいのは1回に1枚のカードだけという機能上の制約があります)。
詳細な説明は省きますが、通信という意味ではいくつかのレベル(レイヤーといいます)のどこかで問題が発生するために読み取りができなくなります。
とある外出時の読み取りテスト

左は実際に外出してFANTOM WALLETを使い、カードの読み取りをさせてみた参考データです。
この外出では全16回(1〜16)の読み取り動作を実施しています。
カードは一番手前にSuica(非接触ICカード)、一番奥にPASMO(非接触ICカード)、真ん中に11枚の(アンテナを内蔵していない)普通のカードを入れ、合計13枚で試しています。
” そのまま ” はカードをカードスロットに入れたままの読み取り実施、” 扇状 ” は扇状に開いて読み取り実施しています。
コインホルダー(実測5mm厚、公式ページでは4mm厚)には硬貨を入れずにコインホルダーの面を読み取り機にかざしています。
結果は、扇状に開いた状態で100%、カードスロットに入れた状態で12.5%の確率でカードの読み取りをさせることができました。
カーボンファイバーのプレートはRFIDプロテクションなしなので、逆にカードスロットに入れっぱなしでもカードの読み取りができるかと思いきや、そうではありませんでした。
16回中、8回が ” そのまま ” のテストですが、内1回しか読み取りには成功していません。
なので、カードスロットに入れたままの読み取りは現実的には実用に耐えないです。
更に、8回中、1回は読み取りに成功してしまっているので、スキミングには他モデル以上に注意が必要ということですね。
まとめ
RFIDプロテクションはアルミプレートの付いた他のFANTOM Sであれば絶対に安全というわけではありません。カードホルダーに入れた状態で読み取られてしまう可能性はあります(0ではないです)。
カーボンファイバー・バージョンでも前述のような特性を理解して有効なスキミング対策をしたり、逆に読み取り時にはスキミング対策をうまく解除するようなオペレーションを実施すればいいわけですね。
※筆者のスキミング対策は別記事で紹介しているスキミング防止カードを使っています。興味のある方はこちらも参考にしてください。
材料費110円、5分でできるスキミング防止カード
その他の情報
クーポン券について

さてさて、今度はクーポン券のお話です。
購入したときに同梱されていた券ですが、裏を見るとなんと20% OFF券でした。

これは使わない手はありませんよね。
というわけで筆者はこれを次回購入時に使おうとしたのですが、結果的に使うことができませんでした。
理由は期限切れだったためです。
券面には、「弊社Webストアでの次回購入で20%割引をご提供します。」としか書いておらず、特に期限は記載されていません。
ですが、注文した日(カード決済日)の翌日から数えて65日目に期限切れになっていたことが次回の購入時にわかりました。
筆者は次の購入が前の購入の70日目くらいだったので、残念ながら20% OFFの恩恵を受けることは出来ませんでした。
額面の差を考えて、次の購入時はちょっとトホホな気分になりました。
このクーポン券はいつまでプレゼントしてくれるものかはわかりませんが、使う方は注意してくださいね(^^)b
プレゼントする時に役立つ情報
マネークリップを付けてプレゼントしたいけど箱はどうする?
FANTOM WALLETとマネークリップをバラバラでプレゼントって、包装がキレイにできないですよね。
それ以前にプレゼントの形として組み立ててねってちょっと、と思うケースもあると思います。
でも大丈夫です。
FANTOM WALLETが入っている箱はなぜがマネークリップを付けた状態でもちゃんと入るんです(あんなに出っぱっているのにです)。
事前に付けてあげて元の箱に戻すだけでOKです。
なので新しく箱を用意する必要はありません(^^)b

こんな感じでちょうどマネークリップの高さ分の余裕が最初から設けられています。

フタを閉じても出っぱったりしません。
箱は化粧箱として(決して超高級な感じではありませんが)悪くない仕上がりレベルだと思います。
メッセージを入れたい時の中のサイズ感

メッセージカードや封筒を入れたい場合の箱の内側のサイズです。

クリップにメッセージカードをはさむ場合のサイズです。
こんな感じもいいですよねo(o^-^o)o

こんなのもいいですね。
W16.5cm×T10.5cmあるので寄せ書きとかもいけそうです(^^)/~
ちなみにこの状態で重さは200gちょうどです。
お札の折り方 “ファントム折り”
筆者が勝手に考えたFANTOM WALLET向けの紙幣の折り方です。デザインのシェイプに合わせた感じがとっても似合っていて気に入っています。
あまり紙幣を使わない方は是非お試しを。
あとがき
この記事を最後まで読んでいただいてありがとうございます。
FANTOM Sは2017年にデビューした商品ですが、筆者が知ったのはとても遅く、2020年に入ってからでした。
ある時、マナブさんのBLOG(manablog)を見ていたら、
【お洒落すぎでヤバい】デジタルノマドの持ち物リスト【個性なし…】
という記事にFANTOM WALLETが登場していて、「なにコレ、ちょーカッコイイね!」と思ったのがきっかけです。
そして次第に、調べれば調べるほど、手に取ってみたくなってしまったのです。
キックスターター達の記事に書かれたことは全部本当なんだろうか?、いや、○○についてはちょっとだけニュアンスが違って、こんな感じなんじゃないか…とか、仕組みについてあれこれ考えたりしていました。
本国から購入できて、はれて手にしたときには既に想像していたこともあったし、軽さへの感銘とか、新しい発見も色々ありました。
最終的に、とにかく製品に納得しました。
完璧かどうかよりも、よく0からこんな造形をつくったなって、そこに一番の、なんというかよく出来てるな感を感じたんです。
で、筆者はたぶんつくり手の考え方が好きなんだろうナ、と思ったんです。
レビューしてきた通り、FANTOM Sは誰にとっても完璧なお財布ではないかも知れません。
それでも筆者にとってイイお財布なのは、満足のありかを筆者なりに見つけているからです。
何かの真似や改良じゃない。
そこには孤独な創作活動があったと思っています。
そんなことを想像すると、なんだか勇気が湧いてきますo(^-^)o
というわけで、FANTOM WALLET、イイですヨー!
ミニマルなお財布を考えている方は、ぜーひ検討してみてくださいね。
ではでは。